明晰夢中の運動想像が運動皮質を活性化
Martin Dresler ほか 3名
Current Biology / N=6(有効2)
まとめ
明晰夢中の運動練習は「脳の運動シミュレーション」として機能する可能性がある。
スポーツ・楽器・ダンスなどの技能練習を夢の中で試みる価値はある。
ただし初めは単純な手指運動から始め、明晰度が高い夢で実施する。
概要
マーティン・ドレスラーらが、fMRIスキャナ内で訓練済み明晰夢者が夢の中で手を握ると、覚醒時と同様の一次運動野が活性化することをCurrent Biologyに報告した。
夢中の運動が「脳内シミュレーション」として機能することを初めて神経画像で実証した記念碑的研究である。
背景
明晰夢中の運動が単なる主観的イメージか、実際の運動皮質を活性化するのかは長年の問いだった。
Tholey 1983やラバージの報告は主観的だったが、本研究はfMRIで客観的に検証した最初の研究である。
方法
週3回以上の明晰夢を経験する6名をfMRI(またはNIRS)スキャナ内で睡眠。
事前訓練で明晰夢中に左右の手を握るよう指示。
眼球シグナル(LRLR)で明晰夢をマークし、夢中の左手・右手運動に対応するBOLD信号を解析。
結果
6名中2名でスキャナ内明晰夢に成功。
夢の中で左手を握ると右一次運動野が、右手を握ると左一次運動野が覚醒時と同パターンで活性化。
非明晰REMでは同様の運動皮質活性化は観察されず。
夢中運動は「脳内運動シミュレーション」として機能する。
主要な発見
- 夢中の手の動きが一次運動野を覚醒時と同パターンで活性化
- 世界初のfMRIによる夢中運動の客観的検証
- 夢中運動は「脳内シミュレーション」として機能
- 非明晰REMでは同様の運動皮質活性化なし
- Current Biology掲載——夢中運動研究の出発点
意義
夢中運動練習(Erlacher、Stumbrys系)の神経科学的根拠の起点。
Dresler 2012 fMRI、Erlacher 2014、Stumbrys 2016の前提となる。
関連する脳領域・ネットワーク
注意点
N=6で有効データは2名のみ。
fMRIスキャナ内睡眠は明晰夢出現率を低下させる。
一般化には限界。
VBM(灰白質)分析ではなくfMRI機能画像である。