夢想起は日誌法の方が振り返り法より正確に測れる
Denholm J. Aspy
Consciousness and Cognition
まとめ
夢日記は「週末にまとめて書く」のではなく、毎朝目覚めてすぐに書くことが重要。
振り返りで「最近夢を見ていない」と思っていても、毎朝記録すると思い出せる夢が増えていることが多い。
明晰夢研究の参加者も毎朝ログ形式で報告している。
概要
デンホルム・アスピーが、夢想起頻度の測定方法を比較した研究で、「毎朝ログに書く」方法が「後から振り返って答える」方法より高く・正確に夢想起を捉えることを示した。
夢日記の科学的根拠となる方法論的研究である。
背景
明晰夢研究では夢想起頻度が重要な共変量・予測因子であるが、測定方法(毎日のログ vs 後からの振り返り質問紙)によって報告値が異なることが指摘されていた。
測定方法の違いが研究間の結果の不一致の原因になる可能性があった。
方法
大学生を対象に、2週間の夢想起を2つの方法で測定。
群Aは毎朝ログブックに夢を記録、群Bは2週間後に振り返り質問紙で夢想起頻度を報告。
両群の実際の想起率を比較。
さらに、ログブック群の記録を後から振り返り質問紙で再評価し、測定方法の差を検証。
結果
ログブック群の夢想起率は振り返り質問群より有意に高かった。
振り返り質問紙は実態を過小評価する傾向があった。
ログブック群の記録を後から振り返り質問で評価しても、実際のログ記録より低い値になった。
毎朝の記録が最も正確な夢想起測定法であることが確認された。
主要な発見
- 毎朝のログブックが最も正確な夢想起測定法
- 振り返り質問紙は夢想起を過小評価する傾向
- 測定方法の違いが研究間の不一致の原因になりうる
- 毎朝書く習慣が想起率を実際に高める可能性
- 明晰夢研究の測定法標準化の基礎
意義
夢日記を「毎朝書く」習慣の科学的根拠。
明晰夢研究の測定法標準化にも影響。
Aspy NALDIS/ILDISでも毎朝のログブック形式を採用した理由の基礎。
注意点
大学生サンプルに限定。
2週間の短期測定。
ログブックを書く行為自体が想起を促進する(訓練効果)可能性があり、純粋な測定法の比較とは言い切れない。