明晰夢経験率のメタ分析(34研究・24,282人)
David T. Saunders ほか 3名
Imagination, Cognition and Personality / N=24,282(34研究統合)
まとめ
「明晰夢を見たことがない」という人も、実は一度は経験している可能性が約半数ある。
夢日記を続ければ、忘れていた明晰夢体験を思い出すこともある。
月1回以上の頻繁経験者は約5人に1人であり、訓練により増やせる余地がある。
概要
デイビッド・サンダースらが、1966〜2016年の50年間にわたる34件のアンケート研究(合計24,282名)を質的効果モデルでメタ分析し、生涯で少なくとも1回明晰夢を経験した人は約51%(95%CI: 40〜62%)、月1回以上の頻繁経験者は約20%であることを統合した。
背景
明晰夢は「極めて稀な現象」と誤解されがちだったが、個々の調査では経験率に大きなばらつきがあった。
調査方法(質問の文言・回想期間・サンプル特性)の違いが結果の不一致の原因と考えられ、50年分のデータを統合して真の有病率を推定する必要があった。
方法
1966〜2016年の明晰夢経験率調査34件を系統的に収集(合計N=24,282)。
質的効果モデル(quality effects model)で統合し、調査の質的強度を重みとして使用。
生涯経験率(少なくとも1回)と頻繁経験率(月1回以上)を別々に推定。
出版バイアス・調査方法の違いを評価。
結果
生涯で少なくとも1回明晰夢を経験:約51%(95%CI: 40〜62%)。
月1回以上の頻繁経験者:約20%(95%CI: 14〜27%)。
調査方法によって数値は変動(例示質問あり vs 定義提示あり)。
学生サンプルは一般人口より高い傾向。
性別・年齢による大きな差は認められなかった。
主要な発見
- 34研究・24,282名のメタ分析
- 生涯明晰夢経験率:約51%(95%CI: 40〜62%)
- 月1回以上の頻繁経験者:約20%(95%CI: 14〜27%)
- 明晰夢は普遍的現象であり「極めて稀」ではない
- 調査方法によって数値は変動(質問形式の影響)
意義
明晰夢は「極めて稀」ではなく、半数近い人が一度は経験している普遍的現象であることが統計的に確立された。
明晰夢研究・実践の動機づけに重要な基礎データ。
注意点
すべてアンケート調査であり、明晰夢の客観的検証なし。
「明晰夢」の定義は調査間で統一されていない。
西洋・学生サンプルに偏っている研究が多い。
日本人口への直接的一般化には注意が必要。